電子回路は複数の部品で作られます。その組み合わせは「直列接続」か「並列接続」か「それらの組み合わせ」か、に分かれます。こういったルールをお話ししていきます。
電子回路を理解するための、いわゆるベースとなる知識です。
(➡電気の基礎はこちら)
今後これ以外の知識も登場しますが、必要な時にインターネットで確認するていどでいいです。「基礎を理解し」「あとは、事例をまねたり・組み合わせたりする」というのが電子回路とのかかわりかたのコツです。
○「直列接続」「並列接続」とは、
それぞれに、
・抵抗Rの「合成抵抗」という考え方があります。
・電流I、電圧Vの「特殊なルール」があります。
・それらの「計算方法が、いろいろ」あります。ですが、計算方法はこまかく覚える必要はないです。(一部のよく使う式をお話ししていきます。)
私はふだん、機械のさまざまな修理をしています。「メカ」「電気」「ソフト」といった知識が、全体的に必要です。これらの知識をDIYへ使えないかと考え、ブログを書いています。どうぞご参考ください。
<直列接続:抵抗Rについて>
直列につないだ部品の「抵抗R」は、合計すると、その列全体の抵抗Rとしてあらわすことができる
R=R1+R2+R3
直列回路の「合成抵抗」と言います。
<直列接続:電流Iについて>
直列につないだ部品に流れる「電流I」は どこでも同じ
I=I1=I2・・・
<直列接続:電圧について>
直列につないだ部品 にかかる「電圧V」は 合計するとその列全体の電圧Vとしてあらわすことができる
全体にかかる電圧V=V1+V2+V3・・・
<直列接続:各値の求め方例>
全体に流れる電流Iの求め方
合成抵抗を用いて全体にかかる電圧より計算できます。
I=V÷Rより、
・I=全体V÷合成抵抗R
・Iは直列接続内どこでも同じ
または、それぞれの部品、例えば抵抗R1とその電圧V1がわかっていればそれだけで計算もできます。
・Iは直列接続内ではどこでも同じ量だからです
・全体または各I=V1÷R1
各部品の電圧を求め方
各部品の例えば抵抗R1と全体の電流Iがわかっていれば計算できます。I=V÷Rより、
・V1=I×R1(Iはどこでも同じため)
または全体に掛かる電圧Vと各抵抗R1R2・・・がわかっている場合は、抵抗Rの比率で計算することもできます。
例:R1=2 R2=3 V=5の場合
V1=V×R1/(R1+R2)
V1=5×2/(2+3)
V1=2
~↓ここからは「並列接続」についてです~
<並列接続:抵抗について>
並列につないだ部品の「抵抗R」は、各列を合計して一つの抵抗Rとしてあわらすことができる
1/R=1/R1+1/R2+1/R3・・・
・よってR= 1/( 1/R1+1/R2+・・・ )
・少々複雑です
並列回路の「合成抵抗」と言います。
簡単な計算式がございます
・R=(R1×R2)/(R1+R2)
※ただし2列の並列のみ
3列以上は・・・
まずどれか2列を1つにし、これの繰り返しです。
<並列接続:電流について>
並列につないだ各列に流れる「電流I」を合計すると、 回路全体に流れる電流になる
全体I=I1+I2+I3・・・
<並列接続:電圧について>
各列に掛かる「電圧V」は、それぞれの列に同じ量かかる
全体V=V1=V2
<並列接続:各値の求め方例>
全体の電流Iの求め方
各部品の抵抗R1R2・・・と、各列に掛かる電圧Vがわかっていればそれだけでも計算できます。 しかし若干複雑です。
・まず全体の合成抵抗Rを計算します。
1/全体R=1/R1+1/R2+・・・
全体R=1/( 1/R1+1/R2+・・・ )
・最後に全体の電流Iを計算します。
全体I=全体V÷全体R
または各列に流れる電流I1I2は各列にかかる電圧Vと各列の例えば抵抗R1より計算できます。
各I=全体V÷R1
または各列の抵抗の特殊な比率で計算できます。
・電流I1=I×R2/(R1+R2)
各部品に掛かる電圧の求め方
各列に流れる例えば電流I1と抵抗R1より計算が出来ます。
V1=I1×R1
<実際の回路と知識の使い方1>
DCファンを2個動かしたいとします。
(➡DCファンとはこちら)
まず直列でつなげるか、並列でつながるか
・ファン2個を均一に動かしたいなら、Vが同じになる「並列接続」を選定します。
DCファンの仕様が「5v駆動・100mA流れる」場合
・電源5vで200mA以上流れるACアダプタの用意
<実際の回路と知識の使い方2>
3V100mAで動くDCファンを1つ動かしたいのですが、電源が5Vしか用意できなかったとします。
電圧は、抵抗器を用い、直列回路の分圧を利用する
ファンの抵抗成分を計算
・R=V÷IよりR=3÷0.1=30Ω
比率2:3に分けられる抵抗器を用意する
・20Ω:30Ω=2:3 よって20Ωの抵抗器を用意
いかがでしたでしょうか。
「並列回路」で少々複雑な式が出てきます。しかし「基本ルール」「I=V÷R」「合成抵抗」を応用しているにすぎません。「イメージ」さえつかめていれば、電子工作を行う上では、必要な時にインターネットで検索するていどでいいです。
今後これ以外の知識も登場しますが、それらもインターネットで確認するていどでいいです。「基礎を理解し」「あとは、事例をまねたり・組み合わせたりする」というのが電子回路とのかかわりかたのコツです。