ステッピングモータを使うには、専用の「ドライバIC」を使うとかんたんです。使いやすいドライバIC「A4988」について話していきます。
(➡ステッピングモータの仕組みについてはこちら)
(➡製作事例はこちら「DIY電子工作でかんたんスプレー遠隔操作トリガーを自作する※製作中」)
私はふだん、機械のさまざまな修理をしています。「メカ」「電気」「ソフト」といった知識が、全体的に必要です。これらの知識をDIYへ使えないかと考え、ブログを書いています。どうぞご参考ください。
<ドライバICA4988とは>
電源と1本の信号を用意するだけで、ステッピングモータを回してくれる
ステッピングモータはその構造上、4本または6本の線をつなぎ、それぞれにタイミングよく信号を送ることで、動きます。
ドライバICA4988は、この複雑な動きを自動で行ってくれます。
使う側は、電源を用意し、動作指示用の線1本に、ONOFFの繰り返し信号を送るだけです。
この「A4988」はバイポーラ式に対応してます。(➡ステッピングモータの種類についてはこちら)
<実験用 部品>
合計約¥4500円(1セット分約¥700)
※金額は概算です。複数個セット品が含まれます。
※画像と内容は異なる場合があります。
①ステッピング用モータドライバA4988
Amazon:5個 ステッピングモータドライバモジュール ヒートシンク 3Dプリンタ キット A4988 3Dプリンタ RepRap
約¥1300
②5vステッピングモータ
Amazon:Ren He 5V ステッピングモータ+ 28BYJ-48 ULN2003ドライバーボード セット Arduino用 3個セット
約¥700
③電解コンデンサー100μF
Amazon:PENGLIN 200点 電解コンデンサ 電子部品バッグ 電子工作基本部品セット 15種類 0.1uF – 220uf 10-50V(10V/16V/25V/50V )
約¥1500
④タクトスイッチ
Amazon:ELPA タクトスイッチ 小 HK-TKS01H 3個入り
約¥180
⑤抵抗500Ω以上
Amazon:OSOYOO(オソヨー)金属皮膜抵抗器 抵抗セット 10Ω~1MΩ 30種類 各20本入り 合計600本 (600本セット)
約¥1,000円
⑥ジャンパー線(リード線)
Amazon:オーディオファン ジャンパー線 1ピン オス-オス 65本セット(7cm×49本/12cm×8本/15cm×4本/20cm×4本) 電子工作 電気実験 ブレッドボード
約¥700
<実験用 道具>
合計約¥5000円
※金額は概算です。複数個セット品が含まれます。
※画像と内容は異なる場合があります。
①5vACアダプター
Amazon:SoulBayユニバーサルAC DCアダプタ3V~12V家電およびUSB充電デバイス用、8個の選択可能なアダプタプラグ付き、マルチ電圧レギュレートスイッチング電源-最大2Amps
約¥1700
(➡ユニバーサルACDCアダプタについて、一度こちらをご覧ください※製作中)
②テスター
Amazon:AstroAI テスター デジタル テスター マルチメーター 4000カウント オートレンジ AC/DC電圧 AC/DC電流 抵抗 バッテリーテスター 手動、自動モード 非接触式 バレンタイン キット
約¥2300
③精密ドライバ
Amazon:ベッセル(VESSEL) マイクロ ドライバー 精密 ネジ用 +00×75 9900
約¥250
④ブレッドボード
(Amazon:サンハヤト SAD-101 ニューブレッドボード:¥600円)
<使い方・配線>
A4988には4つのポートがある
ドライバA4988には「A1」「B1」「A2」「B2」と、4つのポートがあります。※刻印があります。
「A1」と「B1」がセットで、「モータのコイル一つ」につながるイメージです。
モータ側にも4つのポートがある
モータの種類によりますが、中にコイルが二つある「イメージ」です。
A,B,C,Dといったモータ側のポートを、画像のように記載していることが多いです。
互いをつなげる
ドライバA4988は、「A1」>「A2」>「B1」>「B2」の順に電圧が発生します。(同時に対になるポートはGNDになる)
モータも、A>B>C>Dの順に電圧がかかると動きます。(モータ側の取説に説明があるはずです)
よってそれぞれを画像のように、つなげます。
※うまく動作しないときはこれらの配置を変えてみてください。関連する資料が間違っている場合もあります。いづれにしても4本の線でつながります。
4本の線でつなぐ
今回のモータは、オレンジ色の線が「A」、黄色が「B」、ピンク色が「C」、青色が「D」という意味になります。(モータの取説より)
画像のように、
ドライバの「A1」にモータのオレンジ色の「A」、「A2」に黄色「B」、「B1」にピンク色「C」、「B2」に青色「D」、がつながります。
ユニポーラ式のモータへもつなぐことができます。
保証はできないのですが、動くことが多いです。
この場合は、図のように「GND用の線」を無視した配線をするだけです。
ちなみに今回のモータは「ユニポーラ式」です。(安いです)GND用の線は「赤色」で、モータから出てます。
ドライバの動力(電源)とモーターの動力(電源)を分けて用意する
ドライバは5vで動きます。よって5vをつなげるポートがあります。
モーターは12vだったり5vだったり、製品によって違うので、モーター用の電源をつなげるポートは、ドライバ用とは別であります。※今回のモータは5vで動きます。よって、ドライバと同じ電源を使ってます。
モータの電源ラインに100μFコンデンサを付ける
・モーター用電源のプラスとマイナスに平行に付けます
※コンデンサの足の向きに注意です。長い方がプラスです。
・電源供給の安定化になります
・こういったこともすべて仕様書に書いてあります。またはインターネット上の製作事例をまねてみてください。
他、オプション用ポートがあるが無視できる
他にもポートがあります。今回使用しないので以下のようにしてください。
「ENA」:何も繋げない または 0vにつなぐ
0vで出力モード 5vで停止モード になります。緊急用の配線をして、強制的に止めたりといった使い方が出来ます。
「MS1~3」:何も繋げない または 0vにつなぐ
1回の信号に対して大きく動かしたり細かく動かしたりといったモードを切り替えます。
「RESET」と「SLEEP」:お互いを直接つなぐ
RESETは動きが最初からになり、SLEEPは省電力の待機になります。お互い繋ぐと、どちらも無効の状態になります。
「DIR」:「5v」と「0v」で回転方向が変わる
のでとりあえず0vにつないでおく
・これらも仕様書に書いてあります。またはインターネット上でご解説いただいているサイトが多々あります。
動作用 信号(命令)を用意
今回は「タクトスイッチ」を使ってみます。
画像のように配線してください。
赤い丸のボタンを押すと、赤い線のラインがつながり、緑色のジャンパー線から信号が出力されます。
この回路は、ボタンを「押している間はプラス5vを出力」し「押していない間はGND0vを出力」します。
(➡電気の基礎はこちらから)
ドライバA4988につなげる
「STEP」ポートにつなげます。画像の緑色のせんです。
「STEP」:基本的に5vと0vを繰り返すような信号を送るだけで、その信号回数分だけモーターを回してくれます。
電源をつなげる
画像のように、+ラインと-ラインに、5vACアダプタをつなげます。
出力電流量を調整する
モータに流す電流量には限度があります。それをドライバ側で制限が可能です。
基板の上にポテンショメーター(可変抵抗器・精密ドライバでくるくる回せるところ)があり、回しながら調整します。
テスターはDCモードで、+端子をポテンショメータに、-端子をGNDに接続し、回路に電源を入れ計測します。
【手順】
①モータに最大流せる電流Imaxを確認する
仕様書に記載があります。今回は「0.5」として下さい。
②以下の式にあてはめ、電圧Vを計算する
V = Imax × 8 × 0.068
③電源を入れて、図の箇所をテスターで測りながら、電圧Vになるまでつまみを回す。
大体で大丈夫です。
タクトスイッチを押すと一定の角度 回転する
回路は完成しました。最後にモータを回してみます。
と、いいましてもかなり小さい角度です。モータの先端を指で触るか、何十回もスイッチを押すと、回っているのが確認できます。これの連続でモータは回転します。
そのモータにもよりますが、こちらの安価なモータでも600Hz程度の信号を受け付けます。(5vと0vを1秒間に600回の速さで繰り返す)
よって実際は、それだけの信号を自動で送ってくれる部品が必要です。いろいろな方法がありますが、➡こちらをご参考にしてみてください。
いかがでしたでしょうか。
配線さえ出来れば、あとはドライバへ「ON5v」「OFF0v」を送るだけで、ドライバがモータを回してくれます。
次の事例を見れば実際の回路がイメージできると思います。
(➡製作事例はこちら「DIY電子工作でかんたんスプレー遠隔操作トリガーを自作する※製作中」)