電子工作を行うための「電気」「電子回路」の基礎をお話ししていきます。
「基礎を理解し」あとは「本やインターネット上の事例をまねたり・組み合わせたりする」というのが電子回路を考えるときのコツです。
よって基礎さえ理解できれば、他の知識は必要な時に調べて使うていどでいいです。最初のハードルだけをがんばってみてください。
〇先にまとめ
電子回路内では、
・電子部品を動かすには、「必要な量の電気」を流す必要がある
・流すための「力」と、流れる「経路をしぼる」ことで、流れる「量が決まる」
・量I=力V÷経路Rが成り立つ
です。
私はふだん、機械のさまざまな修理をしています。「メカ」「電気」「ソフト」といった知識が、全体的に必要です。これらの知識をDIYへ使えないかと考え、ブログを書いています。どうぞご参考ください。
<電気の基本イメージ・I=V÷Rとは>
「電気回路とは」を検索すると「水の流れによる例え」や「水圧ポンプを使った例え」など、さまざまな例があります。
電気そのものを具体的にイメージするのは難しいということです。
これらの例による理解は、後々深みに入っていくほど「矛盾」に悩まされることがありますのでご注意ください。あくまで「最初のとっかかり」として使うていどでいいです。
と、言いながら、私も水の流れを例えにし、お話ししていきます。(そういうことなのです)
まずは電圧(V)についてです
絵のように、水を
・地面より1cmの高さより落とした時と
・地面より1mの高さから落とした時を
比較すると「1m」の方が「力がある」と思います。
この「力」を電圧(V)とあらわします。
つぎに抵抗(R)についてです
絵のように、落ちていく水の経路を
・直径1cmの太さの配管で流した時と
・直径1mの太さの配管で流した時を
比較すると「1cm」の方が「流れにくい」と思います。
この「流れにくさ」を抵抗(R)とあらわします。
※《実は重要》この「流れにくさ」で発生する「摩擦っぽいところ」が「力」となって「熱を発したり」「回転する力」になったりします。
最後に電流(I)についてです
上に書きました「電圧V」と「抵抗R」という状況で、流れてきた水の「量」を電流Iとあらわします。
ちなみに、この「量」というのは「どのくらいの時間」流れた量?
・これの答えとして「1秒間に流れた量です」という回答になります。しかし特に意識する必要は無いです。
《ポイント》理解の助けとして
実際の流れる「経路」は「抵抗無しR=0」と見なします。では抵抗はどこに?
・抵抗は、さまざまな「電子部品」の中に存在します。
・「抵抗器または抵抗」と呼ばれる部品もあります。
ちなみに、後々I=V÷Rを理解したとき、R=0を計算式に入れてみてください…「∞(無限大)」となり、これが「ショート」「短絡」と呼ばれる現象となります。
<電気回路>
以上を一旦「回路」という形であらわしてみます
①が地面と思ってください。地面より②の「高さ」を「電圧V」といいます。③の「抵抗R」を設置して、回路をつなげると、④の「電流I」が流れます。※それぞれの記号が正式な回路記号です。
ここで「I=V÷R」が成立します。
-電圧Vという力を、
-抵抗Rでしぼった回路へあたえると、
-Iという量の電流が流れる。
とあらわすことができます。
数値をあてはめまてみます
V=3という力でR=3絞った経路へ電流を流すと
I=1という量の電流が流れる
となります。
I=V÷Rより、1=3÷3となるわけです。
上記の回路では何が起きるかというと
見た目ではわかりませんが、抵抗Rに「熱」が発生致します。
《ポイント》抵抗の本質はこの電気→他エネルギーへの変換にあります。
・何かしらのエネルギーが発する→抵抗がある
実際の回路では
絵のように、他に電気で動く部品が取り付けられます。
・例えばLEDやモーターです。
これら部品には動くための「条件・仕様」があります。
・例えば「V=3、I=1で動きますR=3です」とか「I=1以上流したら壊れます」、「あるV以上ではRが極端に変化します」とさまざまです。
基礎知識とこれらの条件をもとに回路を完成させていきます。例えば、
・「この部品はV=3,I=1で動くからRは3だ・・・」
・「でも今Vは5だからVを3にするために・・・」
というカンジです。
<実際の回路例1>
最後に実際の知識の使用例です
DCモータという部品に電気を流し、回してみたいと思います。
・DCモータには例えば「5vで動き、その時100mA流れます」といった仕様が決められています。
・よって電圧vは「100mA以上流すことができる5v出力のACアダプターを用意しよう」となり、ACアダプタにもそういった仕様が書かれています。(乾電池でも同じです。)※「ACアダプタ」とはノートパソコンやスマートフォンにある四角い箱のついた電源コードのことです。
特に他の仕様はないため、そのまま接続します。
・「極性(プラスやマイナス)」に気をつけてつなげていきます。部品の仕様に記載があるので、それに従います。「この線にプラスをつなげてください」等です。
・特に問題なく回ります。
抵抗Rは??となりますが、
・先ほどの電気→他エネルギーに変わった部分の話しの通り、抵抗となる要素はあります。
・V=5、I=0.2なのでおそらくR=25くらいでしょうか。しかしこの回路では気にする必要がない。
~というカンジです。
このように、実際の回路を考える時は
使いたい部品の「仕様・使い方」の確認が重要となり、 それを元に「I=V÷R」を活用して、回路構成を考えていく流れとなります。※ほとんどはインターネット上のブログ等でわかりやすく公開されてます。
いかがでしたでしょうか。
最後に基礎としては次の知識も必要となります。
・電子部品を複数つなげた場合に問題となる「直列接続」「並列接続」のルールについてです。より実際の回路の話しです。
(➡直列接続 並列接続についてはこちら)
おそらくこれらの知識で簡単な電子工作の回路設計や理解が出来ると思います。
電子工作は、基本を押さえると、どんな電子部品でも「この部品面白そう使ってみよう」と容易に踏み込むことが出来る世界です。(時間とお金はかかる場合がありますが…)
是非最初のハードルだけ乗り越えていただけたらと思います。